居抜き物件特有の権利

居抜き物件というのは、その建物や建物区画といった入れ物スペースだけではなく、その中に設けられている付帯設備も込みで、賃貸されたり売却されたりする不動産物件のことを言います。 特に、賃貸物件である場合を考えてみればわかりやすいのですが、その賃貸物件が居抜き物件である場合には、その建物もしくは建物区画というスペースの使用権だけではなく、その付帯設備を利用する権利もまた、含まれることになるというわけです。

例えば、中華料理店の居抜き賃貸物件であった場合には、その厨房設備が付帯設備として付いており、そこには大鍋の調理ができる大きな「かまど」が設けられているので、同じ中華料理店の経営者が、この店舗物件を賃貸した場合には、こうした厨房設備をそっくり利用できる権利も得られる、ということになるのです。 毎日、調理を行う飲食店業種である場合には、店舗物件の入手時にこうした設備が付いているか否かということで、大変な違いが出てくることになるのです。

このように、居抜き物件である場合には、そこに付属している付帯設備というものの利用権もまた手に出来る、という点が、居抜きではないガラだけの建物物件の場合とは、大きく違っている点なのです。 その業務内容が、特定の設備を要する作業が必要となるものではなく、オフィスワークのようなものである業種では、こうした居抜き物件というものは、まず、必要のないものでしょう。